それは食べていると出る訳です。日本だったらどこにでもコンビニがあったり道の駅があったりガソリンスタンドがあったりでトイレを借りる事は比較的簡単です。
ですがインドやネパールでは農村部には一般的にトイレはありません。老若男女トイレ=野グソです。朝靄の中気持ち良さそうに野グソをしているおっちゃん達がインドの農村朝のごく普通の風景。
ウンコしながら隣に立っている人と話しているおっちゃんなんかまで居ます。
そんなオープンな野グソライフを楽しんでいるインド人を見ていると
「動物のごく自然な生理活動である排便がなぜそもそも恥ずかしいと思わねばならないのか??」
と自問自答に陥ってしまうのも無理はありません。かと言ってさすがに高度に発達した文化を持つ国日本に生まれ育った身と心、いきなり野グソしてるおっちゃんの傍らに腰を下ろし一緒に排便の快感を共有するなんて飛躍はとても出来ません。
ですがルート上のほぼ全てを占める農村部で走行中にウンコをしたくなった時、そこに「トイレが存在しない」いや「トイレという概念すら無い」という実際上の問題もあって野グソをせざるを得ないという事になります。
日本では野グソというと山登りを趣味にしてる人以外にはちょっとしたタブーだと思います。しかしインドでは前述の通りそのハードルは限りなく低いばかりか、いや、そのハードルがそもそも無い。
「野グソフリー」
とでも言いましょうか。
そんなワケで割りと自由に野グソが出来ます。そしてインド(というか東南アジアもだけど)で用便を済ませた後の処理は紙ではなく「水と左手」。
「インドではウンコした後左手で拭く」
という誤解が日本では広がっているかもしれませんが、正確には「肛門に水をかけながら左手で洗う」のが正しいのです。慣れるとこれが非常に心地よくとても紙なんかで処理出来ません。「洗う」と「拭く」とで比べれば前者の方が圧倒的に清潔ですし。使った左手もちゃんと入念に洗えば臭いも残りません。
そういった理由から野グソにも必ず水が必要です。インドネパールでは普通3~4本の水ボトルを常時携行していましたが、その内1本は野グソ専用の水ボトル。飲み終わった飲料水ボトルに水道水や井戸水を入れておきます。
そしてお腹からの信号が鳴り出したら自転車を停め、おもむろにフロントフォーク(前輪支えてる棒部分)左側に挿しているボトルを取り出して草むらへ駆け込みます。腰を下ろしてスルっと用便を済まし、半分の500ccで尻を洗いもう半分の500ccで指を洗う訳です。
そのボトル、走行中なんかに喉渇いて間違って口にしちゃうのはさすがに憚られるのでちゃんとペットボトル上面に名前を書いてあります。
しっかりとこうして
「うんこ水」
中央アジアまでは水&左手文化圏なのでまだしばらくはうんこ水を手放せない自転車旅になりそうです。