インドのウンコ燃料。

今日はインドでのウンコ燃料について皆に知識を深めていってもらいたい。

 

予備知識が少しある人ならインドでは

 

「家畜のウンコを乾かして燃料としている」

 

という事は知っている人も多いと思う。インドに行った人もその乾かしたウンコを見ている人も多いだろう。

しかしその「ウンコ燃料」、地域によって形が変わるというのを知っている人は少ないはずだ。

 

僕が走ったのは北インドのヒンドスタン平原地帯だけだったのだが、こんな種類のウンコ燃料に出会えた。

コルカタからダージリンに至る地域では「串刺し型ウンコ」

一コマ一コマが小さめであり、ウンコ投入量により火力調節が容易である。さらに串にさした穴がある事からより燃えやすいのが利点である。しかしその反面火持ちが悪いのが欠点とされる。

ウンコ界における短距離走型のスプリンターといえよう。

太い棒状にしてから井桁に組んでいく、「井桁型ウンコ」作られるウンコ量にしては使われる地面の面積が少ないのが利点。小さな空き地でも用意に乾かせる。丸状ウンコではかならず壁が必要になるのだが井桁状ウンコは壁が無くても作れるというのも大きな利点の一つだ。

しかしながら太い棒状という事から着火性能は低いが、いったん着火すれば火持ちは非常に良い。

ウンコ界における長距離型ランナーだ。

バラナシ周辺では壁に貼り付けて乾かす「丸型ウンコ」。インドでは非常にオーソドックスなもの。壁に貼り付ける際に手の形が付くのが特徴の一つ。見た目は大きなビスケットのように見えるが当然ながら食べる事は出来ない。大きさ、薄さなども燃料としてバランスが良い為、シェアナンバーワンである。

ただし壁が無いと作成出来ないのと、美観を損ねるという欠点はあるがインドでは「美観」という概念は皆無であるので問題にはされないようだ。

 

そしてヒンドスタン平原中央部農村地帯では「半円型ウンコ」

半円型ウンコは丸型ウンコと形状は似ているが乾かす方法が違うので学術上別種とされる。質量的には丸型ウンコと同じなので性能は似通っている。しかし使われる地面の面積が多く必要になるので都市部では作られていない。

故に都市部での丸型ウンコ使用者が半円型ウンコを見ると

「やっぱ田舎モンのウンコはダサいね」

と蔑む傾向がある。

さらにこの「半円型ウンコ」はそのままでも使用されるのだが、保存方法が一風変わっている。これを円形に積み重ねていってタワー状にするのだ。積み重ねた後表面に再びウンコで漆喰を塗るようにコーティングしていくと、少々の風雨には耐えられるようになる。

大きいものでは下部直径2m高さ2m程度まで積み重ねているもののあり、その存在感たるや圧巻。目の前に立つと

 

「今までウンコなんて蔑むべき存在だった。でもそのウンコも積めばかくも巨大になるものか。もう小さい事で悩むのは止そう」

 

まるで峻厳なる父のように、優しい慈母のように、自分を見下ろすその巨大ウンコの前では誰しもそうした謙虚な気持ちになってしまう。

 

インドへ行きたいという人も多いと思うが、ぜひ路傍のウンコにも視線を下ろして愛でて欲しい。新たなインドが、新たな自分が見つかるはずだ。

ウンコで暖をとる人たち。なお燃やすと臭いは出ないのか?と思われるかもしれないが、嫌な臭いは一切しない。ただ白い煙が非常に多く出て室内では使い難い。

インドでは牛は聖なる動物として崇められているが、そういう宗教上大切という以上に労働力として、牛乳を与えてくれる存在として、そしてウンコを生産してくれる存在として、インドでは欠かす事の出来ない大切な動物である。なお、犬はインドではどうでもいい存在だ。野良犬がほとんど。飼われている犬も「ただ居ついている」に過ぎない。

 

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