旅行者にとってのシンガポール空港

こんにちは。昨夜はシンガポール・チャンギ国際空港で熟睡しておりました。さしずめ「エアコン付き超でっかいドミ(旅行者用語でホテルの雑居部屋の意)といった所。

 

安い航空券にありがちな「夜着」で、深夜1時過ぎにシンガポールに着きました。少し詳しい人ならシンガポール空港は世界でも5本、いや3本の指に入る快適な空港という事をご存知かもしれません。

 

確かにほとんど全ての利用者にとっては非常に良い空港だと思います。入国手続き済ませる頃にはほとんど待つ事もなく機内預け荷物がベルトコンベア上に流れてきたり、トイレを始め各施設もめっちゃキレイ。空港から市内まで鉄道で15分もあれば着きます。各案内所も親切です。その他旅行者を快適に過ごさせる色んな施設があるそうです。空港とういう土地柄上割高という側面は当然ありますが、「旅行者からカネをせしめよう」という気配はゼロです。まさに堂々たる先進国の玄関口。

 

しかし、です。それは「ほとんど全ての両者にとって最高」というだけで「全て」という訳ではありません。

 

中には僕みたいな自転車旅行者も当然年に何人かは訪れるのです。着いた当初こそは快適そのものでした。自転車入れたでかい箱受け取って、そのまま空港の人目に付き難い場所に移動しておもむろにキャンプ用のエアマット及びエア枕を膨らませました。そしてバサっと薄手の夏用寝袋を広げ、今日の寝床完成です。エアコン効いてるし下手な安宿よりも快適かもしれません。ぐっすり眠りました。

空港内で堂々と
空港内で堂々と

明るくなってからじっくり自転車を組立。正直言うと先日倒した影響で変速機が少し歪んだらしくいくら調整しても100%になりません。90%位で妥協して走行開始。。。。

と思いきやいきなり警備員の人が駆け込んできて

 

「この前の道は高速道路なんで自転車はダメです。警察に捕まります。別のターミナルまで鉄道で移動してなんとかかんとか・・・」

 

なんとかかんとかの部分が理解出来なかったのですが、とにかくここから走り始める事は不可能なようなので再び空港の中に戻って別のターミナルへ連絡列車に乗る事にします。自転車押して空港の中移動して列車に乗るのはすごく異様なのですが注意する人はいません。時折自転車旅行者がいるのでしょうか。

空港内にリカンベントは異常な存在感
空港内にリカンベントは異常な存在感

そして言われたターミナルで、まずは総合案内所が目に付いたので話を聞くと

 

「自転車についてはちょっと・・・。隣のタクシー案内所で聞いて下さい」

 

タク案内係りの20代の兄ちゃん。

「この前の道は高速道路なので自転車は無理です。大型タクシーをご利用下さい。60シンガポールドル(4800円)です。」

 

そこに「いいカモが来たぜ」という卑しさもなかったし、そういえば関空までも高速道路しか無いし、っていうかフィリピンからマニラまでの運賃より高いじゃねえか。この際仕方ないのか、、と思ってATMでお金下ろして再び行くと壮年のおじさんが居て

 

「マーライオンまで行くのかね?それならタクシー使わなくてもいいよ。前の道高速道路だけど1km位ですぐ一般道に降りれるから。大丈夫大丈夫。そんなのに60ドルももったいない。お金はしまっておきなさい」

 

とありがたすぎるお言葉。さすがはシンガポールが貧しかった頃を生き抜いた人は違います。融通が利く。しかも彼空港タクシー会社のドライバーってのに。

 

実際には割愛した面倒臭さがあったのですが、いずれにせよ

 

「途上国の空港も詐欺師やぼったくりで面倒だけど、先進国も先進国なりにしっかりし過ぎて自転車旅行者には面倒だな」

 

と思ったシンガポール空港でした。

 

シンガポールから即日マレーシアへ出国し、今はジョホールバルから15km位のSKUDAIという町へたどり着きました。マレーシア治安良いし野宿でもいいかな、と思った矢先に凄まじい雨に見舞われずぶ濡れになったので投宿です。

明日濡れた靴をはかないといけないと思うと悲しいです。

 

 

それではまた。

マレーシアはイスラム教徒の人も多いので、ホテルの天井の片隅に「メッカ」の方角を示すサインが付いていました。1日に数回お祈りする必要があるので。日本人からすると「面倒だな」と思われる人がいるかもしれません。僕はイスラム教の事はほとんど分かりませんが、たぶん日本人が食事の時に「いただきます」というの似たようなもんじゃないかなって思います。日本人だったらそれはそのマナーはして当然ですし、そうする事で自分も気持ちいいし周りも「この人ちゃんとした人だな」って思うはずです。そう考えるとイスラム教徒のお祈りもごく普通に思えるし、それを僕らも尊重出来るんじゃないかって思います。


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