リゾート島ボラカイには2泊して、またペダルを回す生活に戻る。
観光地の華やかさも良いのだけれど、なんだか落ち着かない。
観光客のまず立ち寄らない町にいきなりパっと現れて
「なんだアイツは?!」
的な闖入者の方が面白く感じてしまうのだ。
フィリピン中央部、ビサヤ諸島の中のパナイ島を走っている。
だいたい四国位の大きさのイメージだろう。首都のあるルソン島ではセブンイレブンをよく見かけたが、ここには一つもない。30分に一度位集落を通過し、そこには駅の売店位のお店が数件ある。休憩&カロリー補給にコーラ等を飲む。
時折丘を越える。自転車を押していたら、後ろに歩いていたおじさんに追いつかれた。すると、にこやかに自転車を押してくれる。英語はほとんど話さない人であった。タガログ語なんて僕もひとつも分からない。そして、彼の身なりはお世辞にも
小奇麗とは言いがたいものであった。背負っていたリュックにいたっては一部やぶれている。
15分ほどで丘の頂上に着く。彼は笑顔で手を振ってくれた。そして僕もなんども後ろに向けて手を振りながら下っていった。
今日は75km走って、KALIBOという町で宿泊。
いくらなんでもこの町に泊まる外国人は居ないだろうと思いきや、同じ宿に
オーストラリア人が。フィリピン人の奥さんがいるカメラマンの方だった。
しきりに
「こんな自転車で世界一周するなんてすげえな!」
を連発して、僕の自尊心をくすぐってきた。30分ほど話して、「1年後にトルコに行く予定だから、時間があえば少しの間だけど一緒に自転車旅行しよう!」って言われた。
実現したら面白過ぎだ。
パナイ島を出るまであと160km。ロードバイクだったら1日で余裕だが
リカンベントだったら2日かかる。楽だけど遅いのだ。