例えば京都の有名な寺院の前に巨大ショッピングモールとヒルトンと、スターバックスがあったらどうでしょう?
2008年に世界遺産に登録されたマラッカに滞在しています。用事があって4-5日居る予定です。
5年ほど前に来た事があるのですが、その時はまだ世界遺産登録前という事もあってそこまで巨大な建物が目立つという訳ではありませんでした。
今では国内外から年間600万人も観光客が来るのだそう。それを当て込んで巨大モールやホテルがニョキニョキ出来てるわマレーシア風の町並みは軒並みお洒落なブティックやカフェに変わってるわで、そういうのが嫌いな僕にとってはなんだかとても残念な町になってました。
こう言うともの凄く語弊があって失礼とは思いますが
「中国の観光地みたい」
といった感じです。まあそれでも寺院跡なんかに入るのには入場料もかかりませんし、たくさんある博物館の入場料もとても安いのは中国とは大違いですが。あの国は世界遺産になるとそれこそギンギラギンに飾り付けて台無しにした上に入場料何千円も取りますし。
元々世界遺産ってのは文化財なりの保護が第一なんでしょうけど、今となっては
「観光地の箔付け」
くらいにしかなってない気もします。逆に世界遺産効果で観光化が過度に進んでしまって、本来持つ魅力が減っていく、と思うのは僕だけでしょうか。
とはいえ、ここに魅力がないわけではありません。老舗のバックパッカー宿があり、そこには東南アジアでは珍しいキッチン付きの共用空間があります。オーナーの奥さんが日本人という事もあり日本語の本もよりどりみどり。自炊した料理食べながら日本人の旅行者とお酒を飲む、これだけでここに来る意味がある位です。
事実、リピーターとして普通の会社員のお兄さんが4日ほどの日程で来たりしています。特に観光もせず、だらだらと宿のリビングで本読むためだけに。
僕にとっての世界遺産は寺院跡でもなんでもなく、この宿。
マラッカ滞在をあとしばらく楽しむ事にします。