MSR ドラゴンフライ
言わずと知れた自転車世界一周旅人ご用達のコンロ。灯油も使えるが、世界のどこでも手に入るガソリンが使えるのが一番のメリットであろう。
毎回使い始めるのにあたって余熱(プレヒート)でちょろちょろ液体のままのガソリンを燃やす必要があるのだけれど、さほど面倒な訳でもない。ちょっとバルブをひねってガソリンをバーナーの下の小皿に垂らしてライターで火をつけるだけだ。
「燃焼音がすごい」
との事だったが、音はゴー!!!と鳴るが別に耳を塞ぐほどでもないし、コンロ越しの友人と話すのに困難な程でもない。
ちなみに音の割りにはお湯が沸くのは結構時間がかかる。ゴトクが高い位置にあり火元のバーナーヘッドと鍋との間隔が広いのが原因っぽい。
MSRウィスパーライトインターナショナルも定番だ。
あちらは比較的小さく畳めて少し安いし火力も強い、けど火力調整がやや苦手、プレヒートで煤だらけになるとの事。
ご飯炊く、なんていうのだと火力調整可能なドラゴンフライが良いかもしれないが、海外でご飯炊く事もまずあるまい。
そう考えるとコンパクトに畳めるウィスパーインターナショナルの方が良かったかもと今更ながら思っている。
まあまた旅で実用してから感想をアップするつもりである。
第一次更新
出発前日の荷物の再選別の結果、ドラゴンフライ、やっぱ持っていかない事にした。
デカイし重い。軽量化サイクリストのブログを参考にすると、ガスボンベ式のコンロでも十分用途を果たせるのではないかと思ったからだ。ボンベ自体はもちろん日本からは持っていけないが、現地でもわりと手に入る様子。後発途上国の地方ではなかなか手に入らないかもしれないが、そもそもそんな国では物価も安く自炊する必要はほとんど無い。
代わりに元々持っていたスノーピークの「地」を持参。手のひらに収まるサイズでほとんど荷物にならない。ただ当面は使わないだろう。中央アジアからたぶん使い出すと思う。
2013/12/29更新
やっぱり日本から送ってもらう事になった。中央アジアを抜けてきたサイクリストと話した結果やっぱりガス式コンロでは辛そうだとの結論。
既にバッグは飽和状態なのだが、どうにかして積むしかあるまい。
けどやっぱりせっかく高いお金出して買ったので使う事になったのはちょっと嬉しかったりもする。
★2014/08月 追記
ほとんどキャンプだったウイグル&中央アジアでは大活躍。確かに燃焼音は大きいが、一人でキャンプしているんだし誰かと話すのに邪魔になるのではないし気にならない。ライバルである国産のSOTOはプレヒートが不要というのが売りの一つだが、プレヒートを面倒と思った事は一度も無い。1分程度のものだし。SOTOの場合プレヒートが不要ではあるが、着火の際大きく火が立ち上りテントの前室で使うのは面倒なのではないかと思う。
ドラゴンフライはウイスパーと比べて火力調節が出来るというのが売り。煮込む時などには便利だし燃料も節約出来るが、その代わりウイスパーよりかさばる。
火力調節よりも軽量コンパクトな方が自転車旅行には優先されるので、ウイスパーの方がオススメだ。安いし。
あ、あと
「軽油も使える」
というのがドラゴンフライとウイスパーとの両方の利点なんだけど、タジキスタンで
「ガソリンスタンドでガソリン売り切れ・軽油しか売って無い」
という状況があり、
「軽油も使えて助かった~」
と実感した。
ただしガソリンと違って軽油及び灯油というのはライターの火を近づけてもすぐには着火せず、ライターの火を1分位当て続けてようやく着火する程着火しずらいもの。おまけにかなり煤が出る。さらに揮発し難いんでボトルからこぼれるとねっとりして残る。まあ日本で軽油を使う人はいないと思うが。あ、あと軽油の方が火力が強かったような気がした。
ボトルは約600cc入る中サイズを選択。朝晩調理して5日位は使える。
日本一時帰国中に何軒かモンベルのお店に行ったのだが全てのお店でSOTOのMUKAストーブを置いていた。以前はMSR推しだったような気もするが今ではMUKA推し。確かにMUKAは軽量コンパクト、柔軟なホースも収納しやすい。圧逃しバルブも着いていて見た目もちょっといい。
しかし、どの店のMUKAストーブでもその柔軟なホースの根元がかなり痛んでいるのが目に付いた。注目されている商品だし不特定多数の人が散々触るというのも大きいのだろうけど、それでもやっぱり「弱そう」。やっぱりずっと愛されるにはワケがある。質実剛健、MSRだなとしみじみ思う。
なお、日本ではドラゴンフライが良いと思う。ご飯炊き易いし。海外でそんなに火力に気を使うというのはあまり無かったので小さくより構造が単純なウイスパーで良かったかな、と今では思う。
2015年10月 追記
競合する製品のSOTOMUKAストーブを使っている日本人サイクリストと一緒に走ったのだが、使っていると燃焼面の上に位置するパイプの内部が詰まってしまうとの事。彼はSOTOから無償提供されてそれを使っているのだが、ストーブと共にいくつもの交換部品を渡されていた。
プレヒートが要らないというのが一番の売りだが、その代わり数十回使う毎に部品交換するのが前提らしい。日本でちょろっとツーリングに使う位ならそれでいいが、世界を周るのにそれでは困る。
その点MSRドラゴンフライは現在300-400回は使っているがOリングすら交換する事なく使えている。