チャリダーとは脳内麻薬ジャンキー

2016/03/01 チリ・オイギンス→アルゼンチン国境

 

普通陸路出国した時って結構すぐ隣に次の国のイミグレあるやん?タイ→カンボジアとかさ。

 

アウストラル街道終点からアルゼンチンに抜けるのんはそうじゃねえだ、これが。

 

まず街道最後の村からイミグレまでの道が無い。船に乗るしかない。しかも客が溜まり次第出るというスタイルなんでいつ出るか分かんない。(シーズン中のみ週1-2便の定期氷河観光船に便乗するという手段もあるが高め)

 

2時間ほど乗ってイミグレ前で下ろしてもらって、出国手続きして、ここから国境まではまだギリギリ車が通れる位の幅の道があった。結構でこぼこだけど。イミグレから国境線まで3時間くらい。

 

そして「ここからアルゼンチンだよー」という看板で自転車が通れる道が終わる。

 

看板の背後に見えるのは獣道のようなのが一筋森の中に消えていく。

完全にトレッキング道で自転車に乗るなんて滅相も無い。ただ押して押して押しまくるのみ。木の根っこを乗り上げて、倒木を屈みながら通過して、じゃばじゃば川渡って、しまいには沼地に入っていって。。

 

なんじゃこりゃー!!これが正規の国境越えなんてとても信じられない。密出国ルートちゃうんかってレベル。

 

このルートはまあ南米自転車旅する人ならだいたい通ってて、その様子をブログで間違いなく紹介してて、「世界一大変な国境越え」ってな事で言われてるルート。

 

でもなー「自転車にいっつも乗れてる甘ちゃん自転車旅行者」にとっては自転車押してしかいけない道ってのはキツイのかもしれんけど、

言うとくけど俺、

 

「世界一自転車押してる自転車旅人」

 

なわけなんよ。俺ほど押してる人はマジで居ないはず。ちょっとの坂でも漕げなくなるリカンベント。そんな「自転車押しのプロ」にとっては

言うほどでもなかった。

と、いうか、今まで磨いた「押し」のテクニックを駆使出来るところはなかった。「この木のコブはこの角度でクリア」「この急坂はこのラインで!」とかで大変というか

 

「国境越え悪路アクティビティを満喫」

って感じた位。

 

そんな木のコブ越えやら川越えやら泥沼越えやらで2時間、着いた先にはめっちゃ綺麗な湖と、とんがりコーン的なカッコイイ山。ここでアルゼンチンイミグレがあって、入国手続きして、もう対岸まで船無い時間だったんで越えてきた人たちは湖畔の気持ちいい芝生でテント張って、

 

「やっと本当に終わったんだな」

って山見ながらぼーっと走ってきた苦労や綺麗な風景を思い出したりする。

もうね、半端なくすげえ達成感。ドーパミンだっけ?そういう脳内麻薬ドバドバ出てる。こういう達成感は俺がバックパッカー旅してた時は絶対味わえなかった。

自転車旅をさして

 

「しんどいから自分にはできへん」

 

ってみなが一様に言うんやけど、それはまだこの達成感の脳内麻薬味わってないから。これはマジで中毒になるほど快楽やねん。

 

そんな脳内麻薬ジャンキーな俺の、南米ゴールまであとわずか800km。2週間かからない位。

南米最南端でまた味わえる最高のトリップが楽しみでしゃーない。脳内麻薬未経験なトリップバージンな良い子ちゃんたちには分からねえかもしれん。俺だけ楽しんでスマン!!

 

ほなまた!!

後ろに見える小さな船で15人位の自転車乗り・トレッキング客が乗ってきた。船倉にちゃんと座席があるし綺麗なトイレもあるし、救命胴衣も膨張式救命ボートもある一応ちゃんとした客船。

チリ側は石ごろごろしてるとはいえ自転車はまだ余裕で通れる位には整備されてる。車も通れる位の幅。

ここからアルゼンチンだよー、と言いながら道を整備していないアルゼンチン。

徒歩道になった。でもまだ道らしいのがあるだけマシ。

沢をいくつか通る。

倒木の下をくぐり抜ける。

沼みたいになっててもうどっちに進んでいいのか分からなくなる。

自転車も自分の靴ももうぐっちょぐちょ。

川広すぎるやんけ。

道窪んで狭すぎてひっかかって押されへんくなったやんけ・・。

もうちょいでゴールのイミグレ、ってところでとんがりコーン的な山が見えてくる。

そして湖沿いのイミグレでゴール。もう夕方で対岸の自動車道に渡る船は無いんでテキトーにイミグレの付近でみんなテント張る。

「終わったなあ」

とのんびりする人たち。


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