3万5千キロの末に。

2016/03/27 アルゼンチン・ウシュアイア

 

高山病、凍える寒さと雨、焦げるような暑さ、心折れるアップダウン、延々と続く凸凹道、台風のような風。。

 

南米には自転車乗りの苦しみの全てがあった。

 

心打つ自然の中での走行と野宿、よじれるほど笑い合える旅仲間、今までこれだけ助けられたことはなかったという位の人の優しさ。

 

南米には自転車乗りの楽しさの全てがあった。

 

3月27日。南米最南端、ウシュアイアついに到着する事ができた。。

 

強風下でいい野宿場所。というかここ以外にマジでテント張れる場所がない。ちょうど風に直角だったから良かったけどそれじゃなければテント立てた途端に吹っ飛ばされてしまう。風速は30mとか。←人が普通に直立できない風の強さ。

南米本土から、さらに南へ。ビーグル水道横断しフエゴ島に渡るフェリー。軍用の揚陸艦みたいな形だ。

フエゴ島一泊目がここ。南米南端エリアはチリとアルゼンチンの国境が入り組んでてここはチリ領。チリって大きな道小さな道に限らず交差点となるところにはバス停がだいたい設置されてあるんだわ。んでここは暴風エリアなんでテントは普通は絶対張れない。すぐに吹っ飛ばされる。んでもってここに泊まった。

 

外から見ると狭いが斜めにするとぎりぎり俺の身長だとまっすぐ体が伸ばせる。外は恐ろしいほどの強風が吹き荒れてて、ほんと心底このバス停に巡りあって幸運だと思った。巡り合ったのは延々走って日暮れ間近の7時半。このバス停なかったらほんとやばかった。遭難するレベル。

 

フエゴ島チリ領にはこんな避難小屋みたいなのもちょくちょく見る。この同じ規格の小屋がいくつもあって、スペイン語でなんとなく避難小屋みたいな表記があったけどもなぜかこの小屋以外は全部施錠されてあって入れず。この小屋は誰かがドア破壊したらしく出入り自由。写真には写ってないけど背後にトイレまである。「避難小屋なのになんで鍵かかってんだよー!!ぶっ壊して入る!!」って人がいたんだと思う。

そして中。マットレスがない二段ベッドにテーブルと固定式椅子、んで暖炉がある。自転車旅行者用に作ったとしか思えない小屋だ。あいにくこの時はまだ時間早かったんでここでは紅茶とパンで休憩したのみ。

夕方になって今度はみすぼらしい小屋発見。この周囲はこれまたまったく遮蔽物無し。最高の野宿場所。

 

中にはベットと暖炉。小屋の背後には誰が集めたのか分かんないけど大量の木材が。内部は羊とかの家畜の臭いがしたんで、牧場の人の避難小屋なのかも。でもこれ以上に最高の宿はないんでここで宿泊。

外は風びゅーびゅー吹いてめっちゃ寒いんだけども暖炉に苦労して火を入れるとすごい暖かさ。暑いくらい。「こんな幸せ味わってええんかー?!」とご満悦で飯炊いてさあ、食べるぞ、って時に西洋人4人組が車でやってきて「ここシェアしてもいい?」と。。。断るわけにもいかないんで笑顔で承諾して、彼らが小屋の脇にテント張って、中で(その時点では俺の寝室だ)西洋人4人と俺との談笑が始まるという一番いやな展開に。「へー、君は自転車で世界旅してるんだ、じゃあ旅の話してよ」とかふられる。俺英語話されへんっつうのに、この展開。いやーきつかった。なまじこの小屋んなか暖炉で雰囲気いいからなかなか彼らも寝なくって結局夜10時まで(通常9時に俺は就寝)俺ほとんど話すことなく笑顔だけ絶やさず付き合うはめになってもた

フエゴ島渡ってもこういう遮蔽物ない道路が続く。写真じゃわかんないけど風めっちゃ吹いてる。

アンデス山中のビクーニャによく似てる動物。めっちゃおる。

フエゴ島のチリ→アルゼンチン国境にて。こうして客観的に自分見ると、「ああ、俺こんな人力のしょっぼい乗り物でここまで来たな」ってすげえ思ってしまう。このバッグの中に入る荷物で全てが済んでるんだよな、とも。

夕飯はだいたいいつもこんな感じ。玉ねぎ多すぎな卵丼とアボガド、インスタントスープ。夕飯は3品位欲しいやん?先日小屋で一緒になった西洋人4人組はトウモロコシの粉末をお湯で捏ねただけのようなもの(おそらく南米のローカル料理、商品としてインスタント食品で売ってる)を夕飯としていて、うまそうに食べてた。カナダ人とかだったと思うけど、西洋人の食生活ってアジアとは違うんだなあって思った。

日本ではあまり見ない、枝に髭みたいな感じで苔がついてる。この苔は乾いていてよく燃えるんで焚き火の焚き付けにちょうどいい。

フエゴ島も最後の方になると森になってきて、キャンプするのに最適な場所ばかり。

森になるとともに風が収まり、焚き火ができるようになる。

ウシュアイア着く前日には調理用の燃料なくなったんで焚き火調理。焚き木もここまで白熱する状態になると煙もほとんど出なくなるし、鍋底は煤で汚れない。そしてめっちゃ火力強い。

ウシュアイア付近では4月はもう秋。紅葉しだしてます。


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